トンイ考2 チャン・ヒビンとの戦い

トンイ考2 チャン・ヒビンとの戦いはトンイ考の後続サイトです。韓国時代劇トンイについて歴史的背景などを考察します。

トンイを救った粛宗の夢

      2012/12/21

[ad#300-250]トンイ第38話に出てきた粛宗(スクチョン:숙종)の胎夢。実は史実として記録されています。ただし、内容は大きく異なります。

もっとも、朝鮮王朝実録の記載ではないため正伝ではありません。当時の有名な外伝随聞録(スムンロク:수문록)に記載されています。この3巻からなる書は李聞政(イ・ムンジョン이문정)の号から農叟随聞録(ノンススムンロク:농수수문록)ともいわれ、他の随聞録と区別されています。

この随聞録は1721年(景宗1)に書かれたもので、トンイこと淑嬪崔氏(スクビンチェシ:숙빈최씨)の子・延礽君(ヨニングン:연잉군)が王世弟(ワンセジェ:왕세제)に冊封され、更に激しさを増した、先年来からの老論(ノロン:노론)と少論(ソロン:소론)の党争について書いた書物です。

そこに書かれている粛宗の夢は以下のようなものでした。

 

トンイこと崔氏が第1子を懐妊した時のこと。宮廷内に妊娠した宮女がいるとの情報を入手したチャン・ヒビンこと中殿張氏は、お付きの内人たちに、その宮女を連れてくるように命じました。妊娠した状態で縄にかけられた崔氏は、中殿張氏の前に引きづられてきました。そして、拷問を受けました。

そのような状況下に突然粛宗が現れます。おどろいた中殿張氏はとっさにトンイを大きなカメの中に隠します。けれども、粛宗はそれを見破り、トンイを救出するのでした。もし、そのまま拷問が続いていたら、きっとトンイもお腹の中の子も無事ではいられなかったことでしょう。

実はこの危険を知らせたのが、トンイのお腹の中の子でした。自分と母に身の危険が迫っているということを、夢で父である粛宗に知らせたのです。

このような仕打ちを受けたトンイこと崔氏には、張禧嬪(チャン・ヒビン:장희빈)に復讐を誓ったことでしょう。この事象の真偽は置いといて、大なり小なり嫌がらせを受けており、それがのちの復讐への動機となっていたものと思われます。

 

[ad#336-280]随聞録(スムンロク)はあくまでも外伝です。信じるかどうかはあなた次第です(笑)

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