トンイ考2 チャン・ヒビンとの戦い

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謝氏南征記の裏話 トンイ第24話解説(あらすじ含む)

      2015/03/08

[ad#300-250]ハン・ヒョジュ、チ・ジニ主演、イ・ソヨン、ペ・スビン、パク・ハソン出演の韓国時代劇トンイ(同伊:동이)の第24話の解説(あらすじ含む・ネタバレあり)です。

第24話ではトンイはいきなり国境の街・義州(ウィジュ)で生活していましたね。この街を起点に活動している邊商(ピョンサン:변상)の行首(ヘンス)に拾われたためでした。そこで、流刑となっていたシム・ウンテクと出会うことになります。

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このシム・ウンテクは架空の人物ですが、当時実在しており仁顕王后(イニョンワンフ:인현왕후)の復位運動を推し進めた金春澤(キム・チュンテク:김춘택:1670~1717)がモデルかと思われます。(詳しくは旧トンイ考のシム・ウンテク 新キャラのモデルは?を御覧ください)

実は、復位運動の大きなファクターとなり、ドラマ内でもこぞって読まれている謝氏南征記(サシナムジョンギ/サッシナムジョンギ:사씨남정기)と金春澤とには非常に深い関係があります。

謝氏南征記の作者は西人(ソイン:서인)の名門出身の金萬重(キム・マンジュン:김만중:1637-1692)です。彼は金春澤(キム・チュンテク)の祖父・光城府院君(クァンソン プウォングン:광성부원군)金萬基(キム・マンギ:김만기:1633-1687)の弟なのです。要するに金春澤の大叔父が金萬重です。

更に突っ込んだ話をすると、府院君の君号からも分かる通り、ドラマには出てこない粛宗(スクチョン:숙종)の最初の王妃・仁敬王后(インギョンワンフ:인경왕후)の父が金萬基です。

ドラマ内では西人(ソイン)を老論(ノロン:노론)少論(ソロン:소론)とに区別していませんが、中殿(チュンジョン:중전)を輩出することで政権基盤を盤石のものとするのが老論の至上命題でした。

そして、この時期は南人(ナミン:남인)が隆盛を極めたことで、西人は没落の憂き目にあいました。金春澤(キム・チュンテク)の大叔父・金萬重(キム・マンジュン)も流刑となっており、このままでは家門が傾くという状況でもありました。

金春澤にしてみると、仁顕王后(イニョンワンフ)の復位運動は、それ自体に崇高な使命を感じていただけでなく、家門の再興のためでもありました。私的な欲望も内在してたのです。

また、外史では金春澤と連絡を蜜にし復位運動の重要な駒となったのが、トンイのモデルになっている後の淑嬪崔氏(スクビンチェシ:숙빈최씨)だったとされています。

余談ですが、金春澤(キム・チュンテク)は後年、張希載(チャン・ヒジェ:장희재)の妻との不倫の咎で流刑となっています。これについては張希載の腹心の尹順命(ユンスンミョン:윤순명)がでまかせを言ったための冤罪の可能性もあり、真実は定かではありません。

近年では、夫に相手にされなかった張希載の妻が、夫を恨んで仁顕王后の復位運動に加担したという説が有力です。

別サイトに謝氏南征記(サシナムジョンギ:사씨남정기)について内容等をまとめています。

 

第25話に続く

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